熱帯性の魚であるオオウナギは、沖縄から茨城県までの太平洋沿岸に分布しており、大きいものは体長約2mにもなります。
長崎県内では五島列島、西彼杵半島の川でまれに発見され、樺島の共同井戸には古くから住みついていました。海からオオウナギの稚魚のシラスが井戸に入り込み、そのうちの一匹だけが大きくなり、井戸の主となったと考えられています。
熱帯性の魚であるオオウナギの北限生息地として価値が高く、樺島の井戸がオオウナギ生息地として、1923年に国指定天然記念物に指定されました。
「井戸の主」は、天然記念物指定以前から生息していましたが、大正時代の指定時のものを1代目とし、6代目までは自然に出現していましたが、7、8代目は他地域で捕獲された同種のオオウナギを井戸内で飼っていました。2011年に8代目が死亡してからは、井戸内では飼育されていませんが、近くに水槽があり、そちらでオオウナギを観察する事ができます。