塔のへつり

塔のへつりは、南会津を代表する景勝地で、「へつり」は断崖を意味する方言。その名のとおり、塔のように岩がそそり立っています。非常に長い年月をかけて創り出された造形美は素晴らしく、1943年に国の天然記念物に指定されました。約200mにわたって奇岩が連なっており、侵食と風化を繰り返したその姿に圧倒されるでしょう。100万年の時代を経て生まれた渓谷は、"自然の神秘"を感じるにはうってつけの場所です！

「大川ライン」の中でも、塔のへつりは人気の紅葉スポット。見頃は例年10月下旬からで、ナラやもみじが岩壁を覆うように咲き乱れます。水面に映る紅葉とのコントラストは美しく、この時期は多くの観光客が写真撮影を楽しんでいます。秋以外にも、新緑の季節や雪の降る初冬など、四季を通して素晴らしい景色を眺められるのが塔のへつりの魅力。季節ごとに違った趣を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

塔のへつりでは、風化・侵食を繰り返してえぐられた部分を歩くことができます。断崖へ行くためには、大きな吊り橋を渡りますが、一度に渡れるのは30人まで。揺れたり音が鳴ったり、スリリングな体験をしてみましょう。吊り橋を渡りきると、侵食された通路に辿り着きます。手すりがないため、川へ落ちないように気をつけましょう。スニーカーなど、歩きやすい靴を履くと安心です。

大きな吊り橋を渡り切った先には「虚空菩薩像」を祀ったお堂があり、気軽に参拝が可能。このお堂は807年に坂上田村麻呂が建立したものと伝えられており、江戸時代に再建されています。薄暗い洞窟の中には菩薩様が鎮座しており、成績向上や商売繁盛などのご利益があるとして、パワースポットとしても人気です。住職が在寺の際は御朱印をもらい、さらにパワーを授かろう。

塔のへつりには食事や買い物を楽しめるお店がいくつか点在しています。特に「鮎の塩焼き」は地元の人からも人気。香ばしく焼き上がった鮎にかぶりついてみましょう。山菜そば・うどんや焼きだんごなど、地元の絶品グルメも提供しています。お土産も会津の特産品がずらりと並び、目移りしてしまうほど。食事でお腹を満たした後は、お土産コーナーでお気に入りの品を見つけてみてはいかがでしょうか。