元乃隅神社

アメリカのテレビ局CNNが2015年に発表した「日本の最も美しい場所31選」のひとつにも選ばれた「元乃隅神社（もとのすみじんじゃ）」は、世界が注目する絶景スポットです。最大の魅力は、海を背に連なる鳥居群。鳥居の赤、日本海の青、周囲の草木の緑のコントラストが美しく、その絶景を一目見ようと国内外から多くの人が訪れます。その歴史は、昭和30年に地域の網元であった岡村斉（おかむらひとし）さんの枕元に現れた白狐のお告げにより建立され、1987年から10年の歳月をかけて奉納された鳥居は今ではなんと123基！ 商売繁盛、大漁、海上安全をはじめ、良縁、子宝、開運厄除、福徳円満、交通安全、学業成就などのご利益を授かれるパワースポットとしても知られています。

せっかく参拝するのなら、正しい順路で周り、確かなご利益を授かってみませんか？元乃隅神社には、第1駐車場の前に狐看板に囲まれた目立った鳥居がありますが、この鳥居をくぐらず坂を下に下り、一番下に立つ「正面の鳥居」から参拝するのが正しい順路といわれています。正しい順路から見ると、元乃隅神社の参道は「鳥居が海から始まっている」様子がわかり、123基もの鳥居がトンネルのように連なその光景は圧巻です。鳥居の前に立ったら、まずは一礼して参拝をスタートしていきましょう。斜面を利用して鳥居が立つため勾配が少々きつい場所もありますが、鳥居の隙間から見える日本海の眺望でひと息つきながら、約100m続く鳥居を上へ上へ。鳥居を抜けた先の小さな本殿での参拝もお忘れなく。

「正面の鳥居」を訪れたら、目の前に広がる荒々しい断崖と日本海の景観もぜひ楽しみましょう。この辺り一帯は玄武岩（火山岩の一種）の海蝕地形が広がり、気象条件が合えば、岩穴に激しい波が入り込むことで海水を噴出する自然現象「龍宮の潮吹」が見られることも！ 北東の風、冬の季節風で海が荒れる時ほど潮が高く上がり、時には30ｍ以上も吹き上がることがあると言われています。

123基の鳥居を上った先の高台からは、海外でも話題の景色を眺めることができます。ここから見渡すロケーションはまさに絶景と呼ぶにふさわしく、青い海を背に赤い鳥居が連なる元乃隅神社ならではの一枚をカメラに収めることができます。撮影ポイントがわかりやすいよう、足元にはカメラマークの目印が設置されているので撮影場所に迷う心配もありません。午後になると鳥居が影ることもあるので、午前中に訪れてあなただけのベストショットを撮ってみてはいかがですか？

絶景が魅力の元乃隅神社ですが、その楽しみは眺望だけではありません。日本一入れにくいと話題を集める「大鳥居の賽銭箱」もひそかな楽しみのひとつです。賽銭箱が設置されているのは、高さ約6mの大鳥居の上部で、箱までの距離は実に5mもあるそう！「お賽銭が入ると幸せになれる」といわれ、何度でも挑戦OKのため、願いを込めて思い切り投げ入れる人が次から次へと現れ、賽銭が入ると周りから自然と歓声が上がります。どうしても入らない時は....鳥居の根元付近にもハートの賽銭箱があるのでここに賽銭を納めることもできますよ！

元乃隅神社は、祀られている迦之御魂神（うかのみたまのかみ）の使いがキツネであったことから、お賽銭箱のある裏参道の鳥居には、キツネの石像が置かれています。また、大鳥居の賽銭箱のそばに建つ無人の社務所には、キツネをモチーフにしたお守りや、お札、おみくじや絵馬もあり、キツネが描かれた御朱印は、愛、勝、福、幸、富の5種類あり、台紙でいただくことができます。