予定通りの時間で沢山の見どころを巡る旅もいいけれど、たまには旅先で滞在と食事をゆったり堪能したい…。この記事では、そんなコンセプトで姫路の魅力を楽しむ大人の女性向けの旅のモデルコースをご紹介します。
歴史的な姫路の必訪スポットを訪れつつ、オーベルジュ(郷土料理を提供するレストラン付きのホテル)に早めにチェックインし、地産地消のディナーとちょっと上質な空間でゆったりした時間とおしゃべりを楽しむ、気心の知れた女友達や母娘での女子旅にオススメです。
目次
姫路城を眺める「キャッスルビュー」
兵庫県南西部の中心地である姫路は、古くから東西を行き来する交通の要として栄えてきました。そのため、全国からの交通アクセスも便利で、2023年現在はほとんどの時間帯において、毎時1本の新幹線のぞみ号が姫路駅に停車するようになっています。
そんな姫路駅に降り立ったらまず向かっていただきたいのが、駅直結の展望デッキ「キャッスルビュー」。その名の通り、駅から世界遺産の姫路城が展望できるフォトスポットです。駅からお城まで伸びる道路に車が行き交うモダンな姿と、400年もの間姫路を見守ってきたお城の佇まいが合わさり、なんとも感慨深い気持ちになります。姫路を訪れるのが初めてでも、駅を出てどちらに進めば姫路城があるか迷うこともないので安心ですね!
白鷺城の愛称で親しまれる世界遺産「姫路城」
世界遺産「姫路城」は、姫路城から距離にして約1.5km、徒歩20分のところにあります。1.5kmと聞くと長く感じますが、姫路城を正面に眺めながら、ゆったりとした道幅の大手前通りをお城に向かって歩くので、姫路の空気を感じながらお散歩気分で向かいましょう。
まずはお城の玄関口「桜門橋(さくらもんばし)」にご挨拶。木の風合いが印象的なこの橋に辿り着くと、目の前に佇む大手門とその向こうに見える天守の景観にワクワクできます。
大手門をくぐって開放感のある広場に出ると、特徴的な4つの立派な天守に目を奪われます。姫路城の純白の城壁は城主の権力を示しつつ、火を防ぐという2つの理由があったと言われています。美しさと防御を兼ね備えたその姿にたっぷりと魅了されてみてください!
2015年には、5年半に及ぶ平成の保存修理工事を経ていっそう美しく蘇りました。天守までの道のりで出会う石垣や坂の景観に加えて、さまざまな角度からのお城の外観w楽しんでみましょう。
大天守にたどり着くと、入り口で袋を受け取り靴を入れて、内部の木造6階建ての階段を登っていきます。上へ行くほど階段が狭くなり急になるので、滑らないように気をつけましょう。内部では、約400年前の建築技術を間近で見られるだけでなく、当時の人が考えた戦に備えた防御の仕掛けがいたるところに施されていて興味深いものがあります。
最上階はお城の周りを360度見渡せるので、思う存分景色も堪能してみてくださいね。
日本庭園の和の魅力に触れる「好古園」
姫路城に並ぶ必見の観光スポットとしてあげられるのが、姫路城西御屋敷跡庭園「好古園(こうこえん)」。自然に満ち溢れた約1万坪のこの日本庭園は、大手門から徒歩すぐの距離にあります。趣の異なる9つの庭園群で構成されていて、どの時期に訪れても四季折々の美しい風景を堪能できることで有名です。園内は江戸時代の長屋門や屋敷門、渡り廊下が再現されていて、当時の情緒を楽しむことができます。
桜や紅葉のシーズンには昼間の美しさに魅了されることに加えて、時期限定で夜のライトアップイベントも催されるので、その時期を狙って訪れるのも良さそうですね。「好古園」と「姫路城」がセットになった共通券も販売されているので、お城観光の前後にあわせて訪れることをお勧めします。
ランチは好古園敷地内の食事処「活水軒」で
そんな好古園の中にあるのが「レストラン活水軒」。広々とした庭園に面したこのレストランでは、和の雰囲気の中でお食事や喫茶を楽しめます。お肉を自分で焼きながら食べる「国産牛の陶板焼きセット」やうどんやそば、穴子丼のセットなどが人気です。
姫路駅まで商店街をぶらぶら歩き
姫路城まで戻る道は、大手前通りを少し離れて商店街を歩いてみませんか?姫路には、大小様々なお店が軒を連ねる15もの商店街があり、主な商店街はアーケードで繋がっているので雨の日も快適です。昭和の時代から続く昔ながらの居酒屋が残っていたり、SNSで話題の最新スイーツが並ぶお店ができていたり…姫路駅までの帰り道にお気に入りのお店を探してみるのも面白そうですね。
「重次郎」で出会う優しい和スイーツ
駅からお城までの路地にひっそりとたたずむ「重次郎-JYUJIRO-」は、「おいしくて体によいものを食べてもらいたい」をコンセプトに、減農薬のもち米や無農薬の小豆など、自社農場で育てた安心安全な素材を使用した手作りの和菓子を取り扱っています。一口サイズのキュートなフォルムにとどまらず、口に含むとその実力にも驚くこと間違いなし!おはぎの粒はもちもち、小餅の皮はふわふわで、自然の恵みと手作りの良さが心と身体を満たしてくれるはずです。テイクアウトの際は、無添加なのでその日のうちに召し上がってくださいね。
宿泊は姫路の奥座敷に佇むオーベルジュで
姫路駅周辺にも宿泊ホテルが多くありますが、今回お勧めするのは、姫路駅から車で約20分離れた広嶺山(ひろみねさん)にある「セトレ ハイランドヴィラ」。ここは姫路の街の奥座敷ともよばれる森に佇み、地上300mにあるためどの部屋からでも姫路市街を一望できるホテルです。姫路駅から定期のシャトルバス送迎もあるので、車がない場合も安心です。シャトルバスは完全予約制なので、利用希望日の2日前までに連絡をしておきましょう。
宿泊者専用のラウンジでは、眼下に広がる播磨平野と瀬戸内の景色と、無料で提供されるアルコールやソフトドリンク、おつまみなどが味わえます。早めにチェックインして、時間の移り変わりを楽しみながら寛ぎの時間を楽しんでみてください。
2日目はホテルでゆっくりした後、姫路駅へ
播磨の食材を使った朝食を楽しんだ後は、ホテルを後にし姫路駅へ戻りましょう。出発までは、朝の爽やかな景色とともに宿泊者専用ラウンジでコーヒータイムを楽しむのも良さそうですね。
西の比叡山「書寫山圓教寺」
標高371mの書写山にある書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)までは、姫路駅からバスでおよそ25分走り、書写ロープウェイに乗り換え約4分で山上駅に到着します。姫路駅前で、書写山までのバス往復乗車券と書写山ロープウェイの往復乗車券のお得なセット券も販売されているのでぜひ活用を。
山上駅でロープウェイを降りたら、圓教寺の本堂まで静かな山間の参道を約20分歩きます。できれば、清々しい空気がたっぷり楽しめる午前中に訪れるのがお勧めです。道は舗装されていますがアップダウンもあるので、ちょっとしたハイキングが楽しめる歩きやすい靴で訪れるのが良さそうです。(歩くのが苦手な方は有料のマイクロバスの利用も可能ですよ)
最初に到着する本堂の摩尼殿(まにでん)は、山間にせり出す様に立つ迫力あるお堂です。清水寺の本堂と同じ舞台造りが特徴で、お堂の舞台からの眺めは必見です。
摩尼殿(まにでん)から徒歩10分ほどで、映画やドラマのロケ地としても有名な三之堂(みつのどう)に到着します。ここでは、映画『ラストサムライ』の舞台にもなった、食堂(じきどう)、大講堂、常行堂の3つの堂宇が立ち並ぶ壮観な景色を楽しんでみてください。
圓教寺では、摩尼殿、食堂、開山堂で5種類のご朱印をもらうことができます。日時によっては、SNSで話題になっているレアなチベット語のご朱印が頂ける場合もあるそうですよ。
手仕事喫茶「御座候」書写山麓店で小休憩
圓教寺の観光後は、来た道を書写山ロープウェイ山麓駅まで戻り、そこから徒歩3分のロケーションにある手仕事喫茶「御座候」書写山麓店へ。このカフェでは、ランチとともに、あんこやカスタードクリームなどの具を、小麦粉・卵・砂糖などを使った甘い生地で包んで焼く円盤状の焼き菓子「御座候(ござそうろう)」を楽しめます。
「姫路市立美術館」で感性を磨く
姫路駅に戻った後は、姫路城のほど近くにあるレンガ造りの建物が印象的な姫路市立美術館へ。モネ、ユトリロ、マティスなどの貴重なフランス近代絵画などの常設展示に加えて、最近は話題の最新体感型デジタルアート「チームラボ」による趣向をこらした企画展なども行われています。見ごたえ満載の美術館でじっくり過ごして感性を磨いてみましょう。
名物「姫路おでん」で旅の締めくくりを
姫路のご当地グルメ「姫路おでん」は、おでんを生姜醤油で味わう珍しいスタイルで、昔から姫路の各家庭で食べられていたそう。冬はポカポカと身体が温まるのはもちろん、食欲のない夏にもお勧めで、季節を問わず楽しめるのも魅力の一つ。おでんの具材や出汁の味わいは店それぞれなので、お気に入りのお店を見つけてみてはいかがですか?
「姫路城」を中心とするエリアに定番の見どころがコンパクトにまとまっている姫路市は、初めての方でも訪れやすく日帰りでも気軽にその魅力が楽しめる観光地です。城下町ならではの風情を感じながら中心部での散策に時間を充てるのはもちろん、中心部から少し離れて豊かな自然に出会い、少し上質な時間を楽しむ旅の目的地としても最適です。
ライターのRoomyです。国内でも海外でも自分でルートを組んで旅するのが大好きです。文章を通じて、読んでいる人に「こんなところがあるんだ!」と新しい発見を与えていけるお手伝いができればと思っています。