広島県沿岸部のほぼ中央に位置し、瀬戸内海の豊かな自然と温暖な気候に恵まれる「竹原市」。安芸の小京都と呼ばれる竹原市、その代表的な観光スポットはたけはら町並み保存地区やうさぎの島として知られる大久野島が有名ですが、それら以外にも訪れるべきスポットはたくさんあります!本記事では大久野島をはじめとした、親子で楽しめるおすすめの観光モデルコースをご紹介します。
目次
江戸の情緒とうさぎに癒される町、竹原市
竹原市では江戸時代に製塩業が栄え、それを基盤に酒造業・廻船業などが発展しました。塩で財を成した商人が建てた重厚な家々は、国の重要伝統的建造物群保存地区に認定され、「たけはら町並み保存地区」として竹原市を代表する観光スポットとなっています。近年「うさぎの島」として話題になっている大久野島も、竹原市ですよ。
またNHKの連続ドラマ小説「マッサン」の主人公のモデルとなった竹鶴政孝さんの故郷として、さらにはテレビアニメ「たまゆら」の舞台として脚光を浴び、遠方から訪れる方が増え、活気があふれています!
竹原市へのアクセス方法について
竹原市へのアクセス方法としては、JRまたはレンタカーやバスを利用する方法があります。
まずJRを利用する場合について解説します。東京方面から新幹線を利用する場合は、三原駅で在来線(呉線)に乗り換えます。三原駅からは40分ほどで竹原駅に到着します。福岡方面から新幹線を利用する場合は、広島駅で高速バス(かぐや姫号)、または東広島駅で路線バス(芸陽バス)に乗り換えます。広島駅からは1時間20分ほど、東広島駅からは30分ほどで竹原駅に到着します。
次に飛行機を利用する場合について解説します。広島空港周辺でレンタカーを借りると約25分で竹原駅に到着します。レンタカーを借りない場合はジャンボタクシーを利用します。(※ジャンボタクシー…大人7人以上の利用は要予約で貸切可)
また高速道路を利用する場合は山陽道河内インターチェンジで降りると20分ほどで竹原駅に到着します。
今回のスタートはうさぎの島「大久野島」最寄りの忠海駅です。忠海駅まで、電車では竹原駅から12分、三原駅から22分、車では竹原駅から15分ほどです。また、飛行機を利用する場合は、広島空港から忠海駅までの直行便の乗合タクシーがあります。(2日前までに要予約(山陽タクシー)。土日祝のみ運行。大人2,000円、小児1,000円。乳幼児無料。)
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まずは「恵みパン工房Ryu Ryu」でランチのパンをゲット!
忠海駅から徒歩5分ほどの場所にある恵みパン工房Ryu Ryuは、国産小麦と、天然酵母や生イーストで作る無添加生地にこだわったパン屋さんです。こちらのパンは、ふんわりと柔らかい生地で、優しい美味しさが特徴です。小さなパン屋さんなので午前中に行かないと売り切れている種類もあるとか。フェリーに乗る前に調達しておこう!
もう一件、たけはら町並み保存地区近くにある村上ベーカリーもおすすめのパン屋さんなのでご紹介しておきます。こちらは竹原の塩、はちみつ、峠下牛(たおしたぎゅう)、地元の和菓子屋さんのあんこなど、地元の食材を積極的に使ったパンを作っています。2日目にたけはら町並み保存地区を訪れるのでその時にぜひ寄ってみてください。うさぎの形をしたプレミアムうさぎ食パンはお土産にもおすすめです。週末のみの営業なのでご注意くださいね。
恵みパン工房Ryu Ryu
住所:広島県竹原市忠海中町1丁目2-54
営業時間:10:00〜16:00
定休日:日、月
村上ベーカリー
住所:広島県竹原市本町1丁目2−7
営業時間:(金)16:00〜19:00
(土)(日)11:00〜17:00
早速うさぎの島「大久野島」へ!
恵みパン工房Ryu Ryuから徒歩7分、忠海駅から徒歩5分のところに忠海港があり、こちらからフェリーに乗って大久野島に渡ります。大久野島は車の乗り入れ禁止です。無料の駐車場があるので車は置いていきましょう。
忠海港は「これが港?!」と思うほどオシャレな外観です。大久野島ではうさぎのえさは売られていないので、えさやりをしたい方はこちらで購入していきましょう。うさぎモチーフのトートバッグや文房具、お菓子やベビーグッズなど、かわいいお土産もたくさんあります。フェリーの待ち時間に下調べしておくと帰りにスムーズに買えますね!もちろん出発前に購入しても!
フェリーの所要時間は15分ほどです。時間帯によりますがだいたい1〜2時間に1本運行しています。料金は、往復で大人720円、子ども360円です。
フェリーを降りると早速うさぎが出迎えてくれます。うさぎと触れ合いながら休暇村大久野島方面に歩いていると、テーブルとベンチがあるので、そこで先ほど購入したパンでランチタイム。地べたで食べるとウサギに狙われることがあるので要注意!
大久野島の見どころをご紹介!
まずはフォトスポット!
ウサギの耳の形をしたオブジェがあります。子どもと一緒に撮影すると、間違いなくかわいいですよ!実はこのオブジェ、集音器なのです。何の音が聞こえるのでしょう?写真を撮るだけでなく、音にも注目してみてください。
第二桟橋は島の東側にあり、真っ赤な桟橋はまるでうさぎの耳のようなシルエットです!
大久野島はそれ自体がフォトスポットのようなもの。海、山、空などどんな背景でもうさぎと一緒ならどこでもフォトスポットです!
次に、戦争の悲惨さを肌で感じることのできる数々の史跡があります。大久野島が「地図から消された島」とも言われるのはご存知ですか?その理由は、日本の化学兵器製造拠点として第二次世界大戦で使用するための毒ガス製造を行う重大な国家機密の島として地図からも消されていたためです。大久野島毒ガス資料館をはじめとして発電所跡、毒ガス貯蔵庫などが島内に点在しています。戦後、大久野島は休暇村として整備され悲惨な戦争の歴史を知る人は少なくなりましたが、この歴史を忘れることなく恒久の平和を訴える施設として大久野島毒ガス資料館が整備されました。うさぎたちとの触れ合いの裏側にある、忘れてはならない歴史があることを頭の片隅において訪れてみてください。
また大久野島ビジターセンターでは、大久野島の歴史と自然環境について学ぶことができます。簡単なクラフト体験もできるので、チェックしてみてください(要予約)。
ウォーキングやサイクリングで島を一周してみよう!
大久野島は周囲約4.3kmの小さな島なので、徒歩または自転車で十分に楽しめます。のんびり歩いて約1時間、自転車では30分ほどで回れます。とは言っても、あらゆるところでうさぎに出会い、触れ合っているとこの時間では収まらないと思います。
自転車は休暇村大久野島で借りることができます。子ども用の自転車やまだ自転車に乗れない小さな子ども用の補助イス(15キロ未満)の貸し出しもあるので、家族みんなで楽しむことができます。
島内唯一の宿泊施設「休暇村大久野島」は子連れ旅行にオススメ!
休暇村大久野島は、フェリー乗り場から徒歩15分、または無料のシャトルバスで行くことができます。
まず子連れ旅行にオススメの理由を2つお伝えしますね。
①子どもに便利なアイテムを多数貸し出ししています!
オセロやトランプなどを無料で貸し出しているので、客室で退屈しません。また大浴場や食事会場でも便利なグッズを借りることができ、安心して入浴、食事ができます。
②バラエティ豊かな体験プログラムがあり、大久野島ならではの貴重な体験ができます!
まずは予約不要、参加費無料の2つのイベントをご紹介します!
ひとつめは、毎日夜8時から開催されている海ホタル発光観察会です。ベストシーズンは夏ですが、冬でも見られます。対象年齢は設定されていないので、都会では体験できない、神秘的な光を家族みんなで共有できるのは素敵ですね!ふたつめは、朝7時から開催されるウサギさんと季節を感じる朝のお散歩会です。季節の植物を観察し、野生のうさぎと触れ合いながら朝の清々しい空気の中お散歩を楽しめます。こちらは4歳以上が対象となっています。
次にご紹介するのは要予約、参加費500円で楽しめる竹和紙紙漉き体験(たけわしかみすきたいけん)です。大久野島が属する竹原市は竹の町。この竹を使った竹和紙の紙漉き体験ができます。こちらは大久野島ビジターセンターで開催されています。4歳以上が対象となっています。
このようにイベントや子ども用の備品が整えられていると、ファミリーで気兼ねなく宿泊を楽しめますね!
次に休暇村大久野島の温泉をご紹介します!
大久野島にはラドンを含み神経痛や冷え性、疲労回復などの効能があるせと温泉が沸いており、こちらには「大沓の湯」と「小沓の湯」2つの展望浴場があります。西側の「小沓の湯」 では、瀬戸内海に沈む夕陽を眺めながら温泉につかることができ、その景色は格別です!ベビーベッド、ベビーチェア、子ども用のイス、おもちゃ、ベビーソープが備え付けられているので、小さな子どもとの入浴も安心ですね。
こちらの温泉は日帰り入浴も可能なので、宿泊予定がない方もぜひ入ってみてください。
最後に宿泊施設についてご紹介します!
休暇村大久野島ではホテルでの宿泊のほかに、キャンプも可能です。ホテルの客室は全室南向きでオーシャンビューとなっています。芝生広場にいる野生のうさぎたちの様子も見られます。和室がメインなので、小さな子どもと一緒でも安心して過ごせます。また、キャンプは持ち込みはもちろん、常設テントを利用する手ぶらでキャンプのプランもあり、手軽にキャンプが楽しめます。食事はホテルのビュッフェを利用するプランもあります。バーベキュー用コンロなど調理器具の貸し出しもあり、気軽にも、本格的にもなり、自由なスタイルでキャンプを楽しむことができます。
大久野島ビジターセンター
所在地:広島県竹原市忠海町大久野島
開館時間:9:00~16:00
休館日:水(1~2月は水・木)、年末年始
入館料:無料
大久野島毒ガス資料館
住所:広島県竹原市忠海町5491
時間:9:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:12月29日~1月3日
入館料:19歳以上150円、19歳未満無料
休暇村大久野島
所在地:広島県竹原市忠海町大久野島
日帰り入浴営業時間
平日:11:30~17:00(16:30 受付終了)
土日祝:11:30~15:00(14:30 受付終了)
料金:大人550円、子ども500円
フェイスタオル(販売)110円、バスタオル(レンタル)110円
2日目のスタートは思いっきり遊ぼう!ピースリーホームバンブー総合公園へ
フェリーで忠海港へ戻り、車で約10分でピースリーホームバンブー総合公園に到着です。この公園は竹原市のまちづくりのシンボルである竹をテーマとした総合公園です。様々な文化施設、スポーツ施設があり幅広い世代で楽しめます。子どもが思いっきり遊べる芝生広場、遊具はもちろん、ドッグランもあります。竹の館では、竹細工の展示・販売があり、竹について学ぶことができます。竹でできたパイプオルガンは、圧巻です。遊具で力一杯遊ぶも良し、竹についてちょっと学んでみるのも良し、色んな楽しみ方ができる公園です。また、20種類1,300本の桜があり、春はお花見スポットになっています。
住所:広島県竹原市高崎町1414
ここもオススメ「アヲハタジャムデッキ」
忠海駅近くにあるアヲハタジャムデッキでは工場見学やジャム作り体験ができます。ともに完全予約制で、特にジャム作り体験は人気なので受付開始日に忘れずに予約することをおすすめします!工場見学は火曜日〜金曜日、ジャム作り体験は火曜日〜土曜日に開催されています。工場が稼働していない日はシアターにて映像による工場見学となります。
ジャム作り体験は中学生以上から体験できます(小学生は保護者と2人1組で体験可)。工場見学のあと、ジャム作りをします。参加費800円で、なんと200g×4本分のジャムを作ることができます!さらにお土産にもう1種類別の味のジャムとボールペンももらえます。
施設内にはおしゃれなカフェやショップがあります。ここでしか買えないジャムもあるので要チェック!
住所:広島県竹原市忠海中町1丁目2-43
しっかり遊んだあとはお好み焼き「ほり川」でランチ
しっかり遊んだあとは、たけはら町並み保存地区にあるお好み焼き「ほり川」でランチを食べましょう。たけはら町並み保存地区内ということもあり、店内は狭いのかな・・・と思ったらいい意味で裏切られます。入ってすぐはテーブル席とカウンター、その奥に広々とした座敷があり、小さな子どもと一緒でも安心してお好み焼きを楽しめます。ぜひここで食べていただきたいのが竹原ならではの、生地に酒粕を練り込んだお好み焼き「純米吟醸たけはら焼き」。日本酒の香りがほのかに香り、とても美味しいです。またこちらはアニメ「たまゆら」に登場する「ほぼろ」のモデルということで聖地巡礼に訪れる方がたくさんいます。コラボ商品もありますよ。
住所:広島県竹原市本町3丁目8-21
営業時間:11:00~14:00(ラストオーダー13:30)、17:00~19:00(ラストオーダー18:30)
定休日:水
旅の締めはたけはら町並み保存地区でのんびりお散歩
竹原に来たらたけはら町並み保存地区は外せませんね。ほり川でランチを楽しんだあとは、せっかくなのでたけはら町並み保存地区を楽しみましょう。
小学生くらいの子どもであれば、竹細工が体験できる「まちなみ竹工房」がオススメです。予約なしで体験できるのが嬉しいですね!職人さんのアドバイスを受けながら、所要時間40分〜1時間で竹細工を体験することができます。
また小さな子どもがいるご家族にはcafe根古屋でお茶をするのがオススメ。ベビーベッド1台とベビーチェア1台があり、赤ちゃんと一緒でも落ち着いて過ごせます。綜合豆花は甘さ控えめで本場さながらの美味しさです。他にも定番の台湾カステラやパイナップルケーキもあります。
まちなみ竹工房
住所:広島県竹原市本町3丁目12-14
営業時間:9:30~16:00
cafe根古屋
住所:広島県竹原市本町4丁目3-46
営業時間:10:00~17:00
定休日:月・火
広島県「竹原」は家族旅行にオススメ!
今回は大久野島をメインに親子で楽しめる観光モデルコースをご紹介しました。ピースリーホームバンブー総合公園で子どもがしっかり体を動かす時間を確保しつつ、「うさぎの島」では大人も子どもも可愛いうさぎに癒されましょう!
竹原市在住です。幅広いスポットをご紹介したいと思っています。わかりやすく読みやすい文章を心がけています。城めぐりが好きです。