松山でロケをしたドラマや映画は大ヒットするといわれています。例えば、1991年に放映された月9のトレンディドラマ『東京ラブストーリー』の最高視聴率は脅威の32%超え。
2004年公開の『世界の中心で、愛をさけぶ』は、興行収入85億円、観客動員数620万人を記録し、平井堅の「瞳を閉じて」も大ヒット。日本中でセカチューブームが巻き起こり、TBSで綾瀬はるかと山田孝之の共演のドラマも製作されています。
この記事では、今回紹介するすべてのロケ地に行ったことがある元松山市民の筆者が、おすすめロケ地巡りのモデルコースをお伝えします。松山観光の際に、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
松山近郊でロケがあった代表的な映画やテレビ番組
松山近郊でロケがあった、よく知られている映画やテレビ番組は以下の通りです。
- 1966年NHK連続テレビ小説『おはなはん』:樫山文枝主演で最高視聴率56.4%
- 1991年ドラマ『東京ラブストーリー』:織田裕二と鈴木保奈美の共演(上写真は2020年リメイク版)
- 2004年映画『世界の中心で、愛をさけぶ』:大沢たかおと柴咲コウが主演
- 2009年NKHスペシャルドラマ『坂の上の雲』:司馬遼太郎原作、本木雅弘が主演
- 2016年NHK『ブラタモリ』松山編/道後温泉編:伊予鉄のダイヤモンドクロスなど
- 2022年映画『すずめの戸締り』:アニメーション映画
1泊2日の松山ロケ地巡りモデルコース1日目
この記事で紹介するロケ地は車なしでも周ることができますが、電車の待ち時間などを考慮すると、車で周った方がよいかもしれません。ただ、駐車場に困るスポットもあり、1泊2日なので、のんびり電車でロケ地を巡るのもいいでしょう。
『おはなはん』『東京ラブストーリー』は松山から大洲へ!
JR四国の予讃線で松山駅から伊予大洲駅に行けます。伊予大洲駅までは特急で40分、普通で90分です。時間があるなら30分ほど遠回りになりますが、ホームからの景色が最高な下灘駅を通る愛ある伊予灘線経由で行きましょう。車なら45分ほどです。
なお、下灘駅では1977年公開の映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』で渥美清さん扮する寅さんが夢から目覚めたシーンが撮影されています。また、下灘駅は2006年のフジテレビHEROで木村拓哉扮する久利が気動車に乗った海沿いの駅として映っていますよ。
下灘駅の観光についての関連記事も参照ください。
大洲市は「世界の持続可能な観光地TOP100選(オランダの国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」による)」に2年連続選出されるなど、世界中から注目を集める街になりました。2023年にはついに「Culture & Tradition(文化・伝統保全)」部門で世界1位に輝き、嬉しい限りです。
観光名所である大洲城では宿泊ができるため、観光客に人気があり、昨年度は40組以上が宿泊しました。2名で1泊の料金はなんと110万円ですが、その価値があるおもてなしが受けられます。
なお、大洲城への歩道は映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』で映っていますが、なんと私の友人の奥様とその家族がエキストラとして登場しています(一瞬ですが)。
『世界の中心で愛をさけぶ』では、大洲市長浜町の瑞龍寺(沖浦観音)がお墓のシーンで登場しました。
大洲観光名所「おはなはん通り」
伊予大洲駅から1.6km、徒歩20分かバス4分と徒歩5分(宇和島行で大洲本町下車)のところにあるおはなはん通り。おはなはんの舞台となった通りです。
江戸時代の町割と家並み等が忠実に残るおはなはん通りは、なまこ壁や蔵などが立ち並ぶ明治の町並みで観光客に人気です。260mほど進めば、人気の観光スポット「臥龍山荘」があります。
おはなはん通りには、東京ラブストーリーでも織田裕二扮する永尾完治と鈴木保奈美扮する赤名リカが訪れています。
臥龍山荘や観光列車伊予灘ものがたりについての関連記事も参照ください。
『東京ラブストーリー』は「大洲神社」「肱川の河原」
永尾完治の故郷の神社として大洲神社が登場します。また、肱川の河原も散歩していました。
大洲神社は大国主命(おおくにぬしのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと、えびす様)を御祭神とし、「福徳の神」「商売繁盛の神」「安産の神」として知られています。
「大洲神社の情報」
住所:愛媛県大洲市大洲神楽山417
電話番号:0893-24-3683
肱川は大洲を流れる河川で景勝地が多く、臥龍山荘という人気観光スポットもあります。
肱川では、夏に鵜飼いを鑑賞することができます。鵜飼い鑑賞ツアーは、船に乗り、食事をしながら鵜がアユを獲る情景を間近に鑑賞できる大人気のイベントです。早くから予約を取る必要があります。大洲市観光総合案内所で予約を取りましょう。
「大洲市観光総合案内所の情報」
住所:愛媛県大洲市大洲649番地1 大洲まちの駅「あさもや」内
受付時間: 9:00~17:00
電話番号:0893-57-6655
『すずめの戸締り』は「八幡浜港」「伊予大洲駅」など
新海誠が脚本・監督を務めたアニメーション映画。すずめと草太がフェリーに乗ったのが八幡浜港で、ダイジンを追いかけるために列車に乗り込んだのが八幡浜駅です。また、ダイジンがSNSに投稿した写真には伊予大洲駅が写っていました。なお、下灘駅もダイジンの立ち寄った場所として映画に映っていました。
八幡浜駅へはJRで伊予大洲駅から11〜23分くらいで行けます。八幡浜駅から八幡浜港へは2kmあるので、徒歩28分、バスで6分程度です。
八幡浜など南予の観光モデルコースの関連記事も参照ください。八幡浜ちゃんぽんはとてもおいしいのでおすすめです。
宿泊は大洲か松山がおすすめ!
八幡浜だと翌日少し時間がかかるため、大洲もしくは松山までJRで戻りましょう。
大洲なら「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」
大洲であれば、城下町の風情を残す取組みで世界一になったおはなはん通りのあたりにある「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」をおすすめします。
フロントやレストラン、それぞれの客室が大洲城を中心として点在している分散型ホテルで、非日常を堪能できる贅沢な宿です。私も機会があればぜひ一度は泊まりたいと思います。
松山のロケ地巡回におすすめ「たかのこのホテル」
松山に泊まるなら、福山雅治さんが泊まったとされる「たかのこのホテル」はいかがでしょうか?
大人気ドラマ『ガリレオ』シリーズの劇場版映画『真夏の方程式』の撮影の際に泊まったという話がありますが、事実は不明です。松山市中心部からは少し離れますが、伊予鉄道で行くことができます。
松山のおすすめ高級宿「ホテル八千代」
道後温泉掛け流しの露天風呂付きのお部屋で好きな時間に入浴を楽しめる贅沢な宿です。部屋食も選択できるため、ゆっくり贅沢な気分で過ごせます。
松山でリピートが多い宿「あたたかい宿 谷屋」
古民家風小宿で家庭的なおもてなしが人気の宿です。1日6組限定の宿なので、家族でゆっくりできます。3つの家族風呂は、どれを選ぼうかと迷うほど魅力的ですよ。個室食で幼児がいても安心して宿泊と食事ができます。
1泊2日の松山ロケ地巡りモデルコース2日目
2日目は松山と道後温泉近辺を巡りましょう。
『ブラタモリ』は「松山のダイヤモンドクロス」「道後温泉」
ブラタモリでタモリと鉄道マニアが大興奮するのは、電車の線路が直角に平面直交する「ダイヤモンドクロス」です。立体交差が進んだ国内では3ヶ所しか残っていないレアな平面交差の線路です。電車が電車の通過待ちをするのは、国内で唯一、大手町駅前の踏切だけなのですが、松山では当たり前の風景になっています。
「大手町駅前の踏切の情報」
住所:松山市大手町2丁目
電話番号:089-948-3323
道後温泉が湧出した理由はちょうど道後温泉の地形が奇跡的だったという話があった「ブラタモリ道後温泉編」。本来ならここで温泉は湧出しないのですが、自然の力はすごいですね。
『ブラタモリ』『東ラブ』『ガリレオ』は「伊予鉄高浜線」
ブラタモリでは、松山が発展するきっかけでもあった三津浜港が映りました。伊予鉄道高浜線で松山市駅から港山駅までは17分です。港山駅から三津の渡しまでは徒歩2分程度、市道の一部なので無料で対岸まで渡れます。
「三津の渡しの情報」
住所:伊予鉄港山駅から徒歩2分、伊予鉄三津駅から徒歩15分
問い合わせ先:松山港務所(089-951-2148)
運行時間: 7:00~19:00(随時運行、年中無休)(荒天時は運休する場合あり)
三津浜では広島風お好み焼きに似た「三津浜焼き」が食べられます。おいしいのでぜひ食べてみてくださいね。
三津浜観光のモデルコースは関連記事を参照ください。
三津浜焼など松山の穴場観光スポットの関連記事も参照ください。
ガリレオシリーズの映画『真夏の方程式』では、高浜駅が「玻璃ヶ浦駅」として登場しています。イメージがぴったりだという理由で選ばれたそうです。
東京ラブストーリーの最終回で完治がリカを追ってやってきたのが梅津寺(ばいしんじ)駅です。リカがハンカチを巻いた柵が今でも残っており、今もハンカチを残していく観光客が後を絶ちません。40〜50代の人には今でもほろ苦い青春を思い出させるドラマでした。私もドはまりした1人です。
「梅津寺駅の情報」
住所:松山市梅津寺町1374-1
問い合わせ先:089-948-3323(伊予鉄道 鉄道部)
定休日:なし(無休)
松山市駅から高浜線で20分の無人駅です。なお、松山市駅から高浜駅は21分となります。
『世界の中心で愛をさけぶ』は「愛媛県庁」
長澤まさみ扮するアキが闘病生活を送る病院として愛媛県庁が使われました。映画を観たとき、あっ県庁だ!とすぐに気が付きました。それは、私もボランティアの関係で訪れたことがある日本赤十字愛媛県支部が同じところにあったからです。
また、アキと森山未来扮する朔太郎が病院を抜け出し、チンチン電車に乗った駅は伊予鉄道県庁前電停なので、この2ヶ所は現状通りにリンクしていました。愛媛県庁のロビーは無料で見学可能です(要予約、駐車場無料)。
「愛媛県庁の情報」
住所:愛媛県松山市一番町4-4-2
見学の問い合わせ先:089-912-2243
見学可能時間: 9:00~16:00
休業日:土日祝および年末年始(12/29~1/3)
※室内見学希望は前日16:00までに要予約
※駐車場利用の場合は事前に申し出が必要
『坂の上の雲』は「松山城」「道後温泉本館」
司馬遼太郎が10年の歳月をかけ、明治という時代に立ち向かう若者たちを描いた小説を没後、ドラマ化した『坂の上の雲』。主人公の秋山兄弟の兄「真之」を本木雅弘が、弟「好古」を阿部寛が演じました。
秋山真之たちが花火を打ち上げた城として「松山城」が、秋山真之と秋山久敬が話をしていた温泉として「道後温泉本館の霊の湯(たまのゆ)」が映りました。松山城近くには「坂の上の雲ミュージアム」もあるので、そちらもおすすめです。
松山観光のお土産は「道後ハイカラ通り」
ロケ地巡りのあとは、道後温泉に入ってゆっくり疲れを取り、帰路についてくださいね。道後温泉にはお土産や地元グルメを味わえる店が多いので、ぜひ立ち寄りましょう。
鯛めしに松山鮓(まつやまずし、もぶりずしともいう)などここでしか味わえない郷土料理もありますよ!みかんビールやじゃこ天、じゃこカツ、太刀魚巻などの愛媛ならではの名物も味わえるのでぜひ立ち寄ってくださいね。
また、道後温泉にはおしゃれなカフェも多く、のんびりできますよ。なお、お土産は、タルトや坊ちゃん団子、みかん加工品、伊予絣(かすり)、今治タオルなど何でも揃います。
道後温泉や松山のグルメについての関連記事も参照ください。
まとめ|松山近郊のロケ地巡りとグルメを楽しみましょう!
この記事で紹介したロケ地は、冬でも訪れることができます。松山観光を考えている方は、ロケ地巡りという観光を検討してみてはいかがでしょうか?
松山や道後温泉の観光モデルコースについても関連記事がありますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
これらの記事を参考にして、素敵な松山観光を楽しんでくださいね。
岡山在住で四万十川をこよなく愛する、バイクツーリングが趣味の旅ライター。中四国地方だけでなく、愛媛、香川、佐賀、山梨、岐阜にも住んでいたので全国のおすすめ情報や穴場スポットも紹介する予定です。なお、納豆のブログを運営しています(下の+をポチっと)。