秋田県は、日本の本州北部に位置する豊かな自然と伝統文化が息づく地域です。四方を山々に囲まれ、日本海に面した地理的条件から、四季折々の美しい風景が広がります。特に秋田の冬は、豪雪地帯として知られ、雪国ならではの雄大な景観を楽しむことができるのも観光客から人気を集めるポイントです。
本記事では秋田県の男鹿市にスポットを当てて、観光を楽しむおすすめのモデルコースを紹介します。記事の後半では、男鹿市に来たら宿泊をしたいおすすめのお宿も紹介するので、宿選びを悩まれている方は参考にしてください。
目次
秋田県の男鹿ってどこにあるの!?
はじめに今回のモデルコースで紹介する男鹿市がどこにあるのか解説します。男鹿市はその名の通り秋田県北部の、日本海に突き出た男鹿半島に位置しています。
半島は一周80キロ〜120キロほどのため、車を使えば1日でぐるっと一周をすることも可能です。
また市の産業などの特徴としては、周囲を海に囲まれているため漁業が盛んで、ハタハタや紅ズワイガニなどが特産品として有名です。また、内陸部では農業も盛んに行われており男鹿梨や若美メロンが生産されています。地元ならではのグルメも旅の途中でお楽しみください。
男鹿へのアクセス方法は!?
次に男鹿市へのアクセス方法について解説します。男鹿市には男鹿線の終着駅であるJR男鹿駅があります。秋田駅からは、電車を利用して約50分ほどでアクセス可能です。車を利用した場合は、若干早く45分程度が目安です。
県外から訪れる場合は、秋田空港が最寄りの空の玄関口です。公共交通機関を利用すると、秋田空港→(リムジンバス)→秋田駅→(JR)→男鹿駅が最短ルートで2時間程度かかります。バスやJRの運行時間帯によっては、3時間以上かかる場合もあるため旅のスケジュールを立てる際はお気をつけください。レンタカーを利用して秋田空港からアクセスをする場合は、高速道路を利用すると1時間程度の道のりです。
男鹿市を楽しむおすすめの観光モデルコースをご紹介
ここからは、JR男鹿駅を出発して男鹿半島全体を一周する、おすすめのモデルコースを紹介します。
男鹿の新鮮な海鮮を購入しよう「男鹿海鮮市場」
男鹿観光のはじめに向かうのは、男鹿近郊の海で採れた新鮮な海産物が集まる「男鹿海鮮市場」です。JR男鹿駅からは車で3分、徒歩であれば15分ほどでアクセスできます。
男鹿海鮮市場の中に入るとまず見えてくるのが、大きな「いけす」です。その日に採れた生きたままのお魚たちが元気に泳いでいる様子を見ることができます。その裏には、いくつかのお店が並びカニ、岩牡蠣、甘エビ、ハタハタなど男鹿の海の名産品が販売されています。地方発送も行っているため、気になる商品を見つけたら発送を依頼しましょう。
また市場内には海鮮丼やお刺し身などを楽しむことのできるお食事処「海鮮屋」も併設されています。市場は朝9時から営業していますが、お食事処は11時〜15時が営業時間です。早朝の訪問だとお食事処は営業前のため、2日目以降で利用をするか少し遅めに到着するのがおすすめです。テーブル席の他に座敷も用意されているため、小さなお子様連れでも気軽に利用できます。
男鹿海鮮市場
住所:秋田県男鹿市船川港船川海岸通り二号9-10
男鹿の絶景を一望「寒風山回転展望台」
次に向かうのは、丸い外観が特徴的な「寒風山回転展望台」です。男鹿海鮮市場からは、車で15分ほどでアクセスできます。
寒風山回転展望台は、昭和39年にできた4階建ての建物。1階が売店と土産物店、2階が展示ホール、3階は男鹿半島の歴史や文化、自然を紹介する資料展示室です。
最上階の4階は一回転する展望台で、約13分で男鹿半島や日本海の景色を一望することができます。
また展望台では秋田県湯沢市稲庭町が発祥の「稲庭うどん」や秋田県のブランド地鶏を使用した「比内地鶏親子丼」を食べることのできる、レストランも併設されています。
展望台までは外にある螺旋階段を登って向かうため、ベビーカーなどを利用されている方はお子様を抱っこするなど配慮が必要な点はご注意ください。
寒風山回転展望台
住所:秋田県男鹿市脇本富永寒風山62-1
縁結びのパワースポット「真山神社」
次に向かうのは、平安末期より続く柴灯祭が行われる「真山神社」です。寒風山回転展望台からは、車で20分ほどでアクセスできます。
柴灯祭とは、正月三日境内に柴灯を焚き上げ、この火によってあぶられた大餅をお山の神に献ずる儀式で、五穀豊穣・大漁満足・悪疫除去のための祈りとされています。
また真山神社は毎年2月に行われる、「まはげ柴灯祭り」の会場としても全国的に有名です。お祭り以外の時期でも自由に参拝することが可能で、歴史を感じさせる拝殿や約1,000種類の植物が自生する登山参詣(お山かけ)も見どころのポイントです。森林浴を楽しみながら、散策ができるパワースポットにもなっているため、歩きやすいスニーカーなどを用意して向かいましょう。
真山神社
住所:秋田県男鹿市北浦真山水喰沢97
様々な種類のなはまげに出会える「なまはげ館」
次に向かうのが男鹿の名物と言っても過言ではない「なまはげ館」です。真山神社からは、徒歩5分ほどでアクセスできます。
はじめに、そもそも「なまはげ」何であるかを簡単に説明すると、なまはげ館の公式サイトでは以下のように紹介されています。
ナマハゲは真山・本山に鎮座する神々の使者と信じられており、年に一度各家庭を巡り、悪事に訓戒を与え、厄災を祓い、豊作・豊漁・吉事をもたらす来訪神として「怠け者はいねが。泣く子はいねが」と練り歩く、古くから伝統を受け継ぐ民俗行事です。
※引用:https://namahage.co.jp/namahagekan/namahage/
その見た目は、鬼のような顔が特徴的で、ユネスコ無形文化遺産や国重要無形民俗文化財にも指定がされています。
なまはげ館では、150体の様々な顔のなまはげを一度に見ることのできる「なまはげ勢ぞろい」、ナマハゲの習俗や文化・しきたりを紹介する「なまはげ伝承ホール」などをお楽しみいただけます。
また不定期で開催されているナマハゲ面づくりの実演、なまはげに関するグッズが購入できる売店も見逃せないポイントです。
なまはげ館
住所:秋田県男鹿市北浦真山水喰沢
日本海や秋田の海洋生物を展示「男鹿水族館GAO」
次に向かうのは、お子様連れの家族旅行でも楽しめる「男鹿水族館GAO」です。なまはげ館からは、車で15分ほどでアクセスできます。
男鹿水族館GAOは、3階建ての建物で日本海や男鹿の海の生息する海洋生物などを展示・飼育しています。1階にある水族館の目玉の一つでもある水量800トンの「男鹿の海大水槽」では、春から夏にかけて男鹿の海で見ることのできる、約40種2000匹の魚を飼育しています。水槽の前に立つと海の中に入り込んだような、大迫力の光景を目の当たりにすることができます。
また2023年4月にはお子様向けに「学び」「遊び」「体験」をテーマにした新しいエリアがオープンしています。ボールプールや壁面パズル、木製の魚を釣り上げる釣り堀がある「GAOっこひろば」、ヒトデやなまこと触れ合えるタッチプールや顕微鏡で生物を観察できる「観察学習コーナー」は見どころのポイント。観光だけでなく、夏休みや冬休みの自由研究の学習の場としてもおすすめできる施設です。
男鹿水族館GAO
住所:秋田県男鹿市戸賀塩浜壷ケ沢93
夕日と一緒に眺めたい「ゴジラ岩」
男鹿観光もいよいよ終盤。日暮れともに訪れたいのが、人気の景勝地「ゴジラ岩」です。男鹿水族館GAOからは、車で20分ほど走った、潮瀬崎の近くに位置しています。
ゴジラ岩は潮瀬崎にある大きな岩が、風や波の影響を受け長い時間にわたり削られゴジラのような形になったことからその前が付けられました。夕日が沈む時間帯に、太陽とゴジラ岩をうまく重ね合わせると口から火を吹いているかのような写真を撮ることができます。
ゴジラ岩の周辺はゴツゴツした岩が転がり、波の影響で濡れている場所もあるため注意をしての観光が必要です。濡れても良い服装や、足元がしっかりしたスニーカーなどで観光をお楽しみください。
ゴジラ岩
住所:秋田県男鹿市船川港本山門前馬場崎
男鹿に来たら泊まりたい!おすすめ旅館3選
最後に、秋田県の男鹿半島に来たら宿泊をしたいおすすめのお宿を3つご紹介します。
海と入り陽の宿 帝水
JR男鹿駅からは車で30分、男鹿水族館GAOの近くにある旅館が「海と入り陽の宿 帝水」です。戸賀湾を見下ろすことのできる絶景が人気を集めています。
客室は、特別室の海王が1室、新館にある北の風が16室の合計17用意されています。特別室は、合計23畳の広さと掘り炬燵を完備しており、ワンランク上の滞在をお楽しみいただけます。
北の風のお部屋は広さ12.5畳と掘り炬燵を備え、日本海に面した大きな窓が印象的です。16室のうち2室に関しては、ベッドでの宿泊も可能です。
館内にある大浴場は戸賀温泉の源泉を使用し、日本海に沈む夕日がきれいに見えることで人気を集めています。泉質は塩化物泉で、切り傷や冷え性に効果があると言われています。
露天風呂も備え付けられており、男性用は石造りで落ち着いた雰囲気、女性用は木のぬくもりを感じる温かみのある雰囲気です。
お食事に関しては、季節の旬のものを使用したコース料理をお楽しみいただけます。コース料理の他に、男鹿沖産 紅ズワイ蟹や鮑の酒蒸しなどの単品注文も可能です。コースの内容は、公式ホームページで紹介されているため、予約の際にご確認をお願いします。
海と入り陽の宿 帝水
住所:秋田県男鹿市戸賀塩浜 壺ケ沢31
結いの宿 別邸 つばき
JR男鹿駅からは車で22分、7つの宿で構成される男鹿温泉郷にある旅館の一つが「結いの宿 別邸 つばき」です。
客室は、全4タイプを完備。和室が基本のお部屋で、日本古来の旅館の良さを感じることができる作りです。いつもとは違った特別な時間を過ごされたい方におすすめなのが、「あきたびじょんルーム」です。広さ14.5畳の和洋室で、しつらいはすべて秋田県産のものを使用するこだわりの作り。客室の大きな窓からは、日本海や世界遺産の白神山地の様子も眺めることが可能です。
大浴場に関しては木のぬくもりを感じる内湯と、庭園に囲まれた自然を感じる露天風呂が人気です。泉質はナトリウム塩化物泉で、美人の湯とも呼ばれています。サウナや湯上り処も用意されているため、日頃の忙しさを忘れリラックスした時間をお過ごしください。
また館内には宿泊者が無料で利用できる2つのラウンジを用意。夜になるとキャンドルが灯されるラウンジ「さくら」、囲炉裏ラウンジ「ゆり」とシーンや雰囲気の好みに合わせてお選びください。
ラウンジではソフトドリンクフリー(無料)も提供されています。
お食事は館内にある、秋田ごちそうダイニング「味彩」で頂きます。名物は「石焼料理」。木桶の中に熱した石を入れ、食材を調理する男鹿市の伝統的な漁師めしです。調理の工程も見学できるため、エンタメとしてもお楽しみください。
結いの宿 別邸 つばき
住所:秋田県男鹿市北浦湯本中里81
旅館浜彩
JR男鹿駅からは車で15分、日本海と館山崎を望むことのできる男鹿半島の南側に位置するのが「旅館浜彩」です。
客室は、絶景展望客室(4室)と普通客室(4室)の合計8室と比較的に小規模な旅館です。10帖~16帖の広さがある絶景展望客室は、日本海に面しており客室からも絶景をお楽しみいただけます。
館山崎は昼の景色はもちろん、夜になると満天の星空が輝く場所としても知られています。客室の電気を消して、星あかりを楽しむのもおすすめです。
館内にある温泉は、バクハン石と呼ばれるミネラルを溶出する作用がある石で作られた浴槽が自慢です。発汗効果が期待でき、疲労回復、肩こり、神経痛などに効果があると言われています。
大浴場は24時間開放されているため、いつでも好きな時間に利用が可能です。
お食事に関しては男鹿の海で採れた新鮮な海の幸などを利用した「浜彩厳選16品の膳」をお楽しみいただけます。メニューに関しては季節により異なるため、最新の情報は宿泊前に宿へお問い合わせください。
旅館浜彩
住所:秋田県男鹿市船川港双六打越144-1
秋田県の伝統行事に触れるなら男鹿市へ行こう!
秋田県の男鹿市を楽しむ、おすすめの観光モデルコースを紹介しました。男鹿市には、秋田の伝統文化に触れることのできる施設や、日本海の絶景を楽しめるビューポイントなど見どころが満載です。
また冬になると雪に覆われる地域でもあるため、訪れる季節によっても見ることのできる景色が変わるのもおすすめのポイントです。ぜひ、1度だけでなく、2度、3度と足を運んでみてください。
今回は秋田県の男鹿市を中心としたモデルコースを紹介しましたが、秋田県にはこの他にもおすすめの観光スポットがまだまだたくさんあります。AVA Travelを活用して、その他のエリアにもぜひ足を運んでみてください。
元旅行会社勤務のトラベルライターです。プロならではの視点で全国各地の魅力やおすすめスポットを紹介しています。 国内・海外問わず旅行が大好きで、世界遺産やローカルフード巡りを楽しんでいます。旅行系の記事執筆を得意としております。