愛媛県と広島県を結ぶ、瀬戸内海を横断している『しまなみ海道』。日本人だけでなく海外の方からも、数多くの支持を集めています。小さな島々と、そこで暮らす人々の営み、そして7つの巨大な橋が自然と調和している『しまなみ海道』独自の光景。移り変わる時代を柔軟に受け入れてきた、日本の美しさも表れているように思います。
さて今回は、しまなみ海道を愛媛側から出発した際に、一番初めに訪れる『大島』、そして二番目に訪れる『伯方島』のオススメスポットをご紹介します。
サイクリングで、お車で!しまなみ海道を満喫していってくださいね!
目次
愛媛側からの『しまなみ海道の玄関、大島』
亀老山展望公園
しまなみ海道を代表する、欠かせないビュースポット『亀老山展望公園』。大島の南端の亀老山山頂に位置する、瀬戸内海国立公園です。標高は、約308m。戦国時代に名をはせた、水軍の歴史漂う島々や、今治市街までが一望できます。箱庭のような瀬戸内の景色は、しまなみ海道トップクラスの美しさ!
頂上のパノラマ展望ブリッジから見る、世界初の三連吊橋『来島海峡大橋』と、日本三大急潮の『来島海峡』の迫力は、なかなかのものです。また、建築家・隈研吾氏が手掛けた、洗練された展望台も、注目してほしい建物。日中・夕焼け・夜間のライトアップ、どの時間帯も違った良さがあります。写真家も多く集まる、しまなみ海道屈指のフォトスポットです。
村上海賊ミュージアム
荒れ狂う潮流を味方につけ、芸予諸島を中心に瀬戸内海の広い範囲で活躍していた『海賊・村上水軍』。瀬戸内海は、昔から多くの船が通る海上交通の要所でした。
一見、穏やかそうに見えますが、実は地形が複雑で潮の干潮差も激しく、場所によってはとても危険だった瀬戸内海。村上海賊たちは、そういった危険海域内に海城を築き、航行する船から通行料を徴収し、安全に船舶が航海できるように、水先案内兼ボディーガードを務めていたそう。
ここは、日本最大の海賊と称された、村上水軍の歴史を楽しく学べる『村上海賊ミュージアム』。戦国時代を生き抜いた村上海賊の足跡を、リアルなジオラマや出土品、船の模型などで知ることができます。村上海賊たちが暮らしてきた風土や文化、そして豊かな生活を覗いてみませんか?
能島水軍・潮流体験船
大島へ来た際に、ぜひ体験して欲しいアクティビティの一つが『能島水軍・潮流体験船』です。村上海賊が活動の拠点にしていた海城の一つ、瀬戸内海にぽっかりと浮かぶ『能島』。この能島周辺は、地形が複雑で潮流が激しく、タイミング次第では安全に航行することができませんでした。
『能島水軍・潮流体験船』に乗船すれば、グルグルと渦巻く激しい潮流や、国の史跡に指定されている能島の海城跡を見学することができます。海上からしまなみ海道に掛かる大きな伯方・大島大橋を見上げることもできるので、旅の素敵な思い出にもなって◎!先述した『村上海賊ミュージアム』で、村上海賊や能島について予習してから乗船しましょう!音声ガイドの内容を、より深く理解することができますよ。
能島水軍レストラン
潮流体験の後に楽しみたいのが『能島水軍レストラン』で提供される、宮窪瀬戸の激しい潮流に揉まれて育った魚介類たち。特にオススメなのが、10ノット真鯛です。最大10ノット(時速約18km)の激流で育った天然の鯛は、身が引き締まっていて食感も◎!激流が渦巻く能島周辺の海域は豊富な餌に恵まれており、それらを食べて育ったタイは、旨みも凝縮されていて美味!
美味しい天然の真鯛は、宮窪の漁師飯「鯛めし」で召し上がれ。宮窪流の鯛めしは、皮付きです。皮目を炙ったり、湯引きにしたりしたプリップリの身を海鮮丼にして食べます。皮の食感と、皮と身の間の脂のうま味のハーモニーは、たまりません!
御城印も!能島水軍・お土産物コーナー
能島水軍潮流体験船の受付奥に設けられている『能島水軍・お土産物コーナー』。
ここでしか手に入らない『御城印』は、城マニアの方にはぜひ手に入れて欲しいアイテム。海賊同士が豪快に飲み交わす様子を連想させる、オリジナルの盃『海賊の祝杯』も合わせてどうぞ。贈答用に木箱に入ったモノもあります。
しまなみ新名物・海賊むすび
村上海賊関連グルメの一つ『しまなみ新名物・海賊むすび』!かいうん(開運・海運)を導くアイテムとして人気です。①三角形、②三つの具、③三方よし(作り手・食べ手・地域が幸せ)の心得を満たしていることが、海賊むすびの条件。しまなみ海道沿いのお店それぞれが、お店独自のこだわりや具材を選んで海賊むすびを作っています。
観光客やサイクリストさんの「定食を食べられる程のお腹の余裕はないけど、ちょっと何か食べておきたい」といった小腹を満たす、新たな選択肢としてどうでしょう?お店によって違う、味や形も楽しんでみて。
伯方の塩が有名な『伯方島』
しまなみ造船
古くから、造船が盛んな『伯方島』。島内の海岸沿いには数社の造船会社があり、空に向かって高く伸びた大型のクレーンがいくつもそびえ立っている様子を見ることができます。
写真は、伯方島ICを降りて少し北に走った場所にある『しまなみ造船』の風景。完成間近の中型船の様子は、迫力満点です!しまなみ造船さんは、年間7~8隻のペースで船を製造しています。タイミングが合えばこの写真のように、普段は海面下に沈んで見えなくなってしまう部分を見ることができるかも?
伯方S・Cパーク『マリンオアシスはかた』
伯方島ICを降りてすぐ南にある『伯方S・Cパーク マリンオアシスはかた』。
こちらは、産直・お土産物屋・レストラン・スイーツ・公園、テニスコート、ビーチ、レンタサイクルなどが揃った、伯方島のレジャーの拠点にぴったりな道の駅です。
さすが『伯方の塩』で有名な伯方島!特産品コーナーでは、塩そのものはもちろん、塩ようかんに塩あめ、塩クッキーや塩入パン…と、伯方の塩を使った、地元で作られた加工品が並びます。飲食コーナーでは、伯方の塩ソフトクリームや、伯方の塩ラーメンも人気ですよ。
Patisserie T’s cafe 玉屋
昭和23年に伯方島で開業した、元和菓子屋さんの『Patisserie T’s cafe 玉屋』。平成19年の秋に、海の見えるイートインスペースを併設したカフェとして移転オープンしました。今は季節のフルーツをふんだんに利用したケーキや焼き菓子が並ぶ、島の洋菓子屋さんです。
お一人様でも気兼ねなく利用できるカウンター席から、ゆったりとしたテーブル席、大きな窓の外には心地よい潮風を感じられるテラス席もあります。瀬戸内海を独り占めできる、ロケーションも最高のカフェ。穏やかな瀬戸内海を眺めつつ、のんびりとしたカフェ時間を過ごして。
目に映るもの全てに感動!大島と伯方島
いかがでしたか?今回は、大島と伯方島の定番から穴場スポットをご紹介いたしました。筆者の独断と偏見で選ぶ、一度は行ってみて欲しいオススメのスポットは、伯方島の『しまなみ造船』です。製造工程を、フェンス越しに無料で見ることができます。特に乗り物やロボットなどが好きな方には、グッとくるものがあると思いますよ。島時間を満喫したい方には『Patisserie T’s cafe 玉屋』がオススメ。素材からこだわって丁寧に作られたケーキや、豆にもこだわった香り豊かなコーヒーは、慌ただしい日常を忘れさせてくれます。
魅力たっぷりの『しまなみ海道』!車で、サイクリングで、ぜひ『大島』と『伯方島』にもお立ち寄りくださいね
バイクや車で国内をフラフラとしている、愛媛県松山市在住の放浪カメラマン&ライター。主にフィットネス・介護・レジャー・経済関連の記事を書くことが多い。温泉と洞窟巡りが好き。これまでに滋賀と鹿児島以外は訪れているので、寿命が尽きる前に全国制覇したいところ。趣味はカラオケと筋トレ。