会津藩の城下町として栄え、今なおその雰囲気が色濃く残る会津若松市。各所に史跡が点在しており、歴史ロマンがたっぷり味わえるほか、名物グルメやレトロカフェ、温泉旅館なども多数存在します。
そんな会津若松市の魅力を存分に堪能できる観光モデルコースをご紹介。ぜひ参考に街歩きをしてみてください。
目次
会津若松市を観光するなら「まちなか周遊バス」の利用がおすすめ!
会津若松市内を効率よく、そしてお得に周りたいのなら、「まちなか周遊バス」を利用するのがおすすめです。
周遊バスには「あかべぇ」と「ハイカラさん」の2種類があり、会津若松市の主要観光スポットを循環しています。それぞれ逆方向に周回していますので、周遊バスを上手に利用して観光を楽しみましょう。
「まちなか周遊バス1日フリー乗車券」も用意されており、大人600円、子ども300円で購入可能です。
この乗車券の嬉しいポイントは、当日中に限り「あかべぇ」と「ハイカラさん」の路線であれば、何回でも乗車可能であるということ。さらに、乗車券を提示すれば、鶴ヶ城天守閣や白虎隊記念館、会津武家屋敷などへの入場時に割引料金が適用されるという特典付きです。
会津若松駅の「会津バス駅前案内所」や七日町駅の「七日町観光案内所」などで1日フリー乗車券が販売されています。なお、バス車内では販売されていませんのでご注意ください。
会津の歴史に浸れるおすすめ観光モデルコース
戊辰戦争や白虎隊、新撰組など、幕末の歴史において数多く登場する会津若松。”会津の歴史”にどっぷり浸ることができる観光コースをご紹介します。
七日町通り&野口英世青春通り
歴史ある建物が軒を連ね、ノスタルジックな雰囲気に包まれている七日町通りと野口英世青春通り。カフェや酒蔵、民工芸品店などが点在しており、人気の散策エリアとなっています。
非常に多くのレトロカフェが存在するため、街歩きに疲れたらカフェでひと休みするのがおすすめ。なかでも人気なのは、野口英世が左手の手術を受けた医院の建物を利用した「會津壱番館」です。
内部には建築当時の梁がそのまま残されており、どこか懐かしい雰囲気。英世が訪問した国々のコーヒー豆を自家焙煎したコーヒーが人気で、軽食メニューも豊富です。
ほかにも、大吟醸を使ったシフォンケーキを提供する「喫茶 杏」、会津のアンテナショップにもなっている「駅cafe」など、魅力的なレトロカフェが多数存在。建物の雰囲気を楽しみながら、ひと息いれましょう。
アクセス:周遊バス(ハイカラさん)「若松駅前」から「七日町白木屋前」約4分
鶴ヶ城
会津若松市のシンボルともいえる鶴ヶ城。戊辰戦争の際には1ヶ月間の攻防戦に耐え抜き、のちに「難攻不落の名城」として、その名を広く知らしめました。
鶴ヶ城といえば、独特な存在感を放つ天守閣の「赤瓦」が特徴的。日本各地にお城はありますが、天守閣に赤瓦を持っているのは、日本で唯一この鶴ヶ城のみです。
天守内部は1〜4Fが博物館になっており、当時の様子を示す貴重な資料が展示されています。階ごとに異なるテーマが設定されているため、それぞれ違った楽しみ方ができるのも魅力です。
5Fは展望台となっており、会津若松の街並みを360°見渡すことが可能。白虎隊が自刃した飯盛山も遠望することができます。
鶴ヶ城内部を見学した後は、千利休の子・少庵が建てたと伝えられる茶室麟閣で抹茶を楽しむのがおすすめ。600円で抹茶と和菓子を味わうことができ、夏には冷抹茶が提供されます。美しい庭園風景が広がるなか、抹茶を飲んでひと息つきましょう。
住所:福島県会津若松市追手町1-1
アクセス:周遊バス(ハイカラさん)「七日町駅前」から「鶴ヶ城入り口」約11分
御薬園
御薬園の歴史は古く、室町時代に葦名盛久がこの地に別荘を建てたのが始まりとされており、歴代の会津藩主に親しまれてきた日本庭園です。のちに領民の治療を目的として薬草園が設けられたことから「御薬園」と呼ばれるようになりました。
戊辰戦争時には、新政府軍の傷病者の診療所として利用されていたため、戦火に巻き込まれることなく、当時の姿がそのままに保たれています。
江戸時代の「大名型山水庭園」として国の名勝にも指定されており、庭園の美しさは福島県内随一。静けさのなかで歴代藩主が愛した庭園を眺める時間は、まさに至福のひと時です。
茅葺き屋根が特徴の「御茶屋御殿」では茶席が用意されているため、一席600円で抹茶と羊羹を楽しむのがおすすめ。当時の風景を偲びながら、じっくりと抹茶を味わいましょう。
住所:福島県会津若松市花春町8-1
アクセス:周遊バス(ハイカラさん)「鶴ヶ城入り口」から「御薬園」約9分
会津武家屋敷
会津武家屋敷は、「会津武士道」の伝承と発信を行う歴史テーマパーク。会津藩の家老・西郷頼母邸を復元した施設を中心として、さまざまな資料が展示されています。
家老屋敷は敷地面積約2,300坪という広大さを誇り、ひのきや杉が大量に使用された和風建築は豪華壮大。一歩足を踏み入れれば、江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。
歴史資料館や陣屋なども軒を連ねており、会津武士の厳粛な生活ぶりを垣間見ることができるでしょう。
屋敷内では「起き上がり小法師」や「赤べこ」の絵付け体験のほか、弓道体験、探検クイズなど、家族みんなで楽しめるアクティビティが充実しているのも魅力のひとつ。食事処も併設されていますので、見て・食べて・遊んで、会津文化を存分に体験してみましょう。
住所:福島県会津若松市東山町大字石山院内1-1
アクセス:周遊バス(ハイカラさん)「御薬園」から「会津武家屋敷前」約4分
飯盛山
飯盛山は、頂上から会津若松の城下町を一望できる小高い山で、19名の白虎隊士が自刃した場所として有名です。山中には自決した白虎隊士のお墓があり、今なお線香が供えられています。
晴れた日には、山頂から鶴ヶ城が遠望できますので、白虎隊士たちと同じ景色を眺め、思いを馳せましょう。
飯盛山の麓には白虎隊記念館があり、こちらでは戊辰戦争時の遺品や写真などを収蔵。新政府軍が使用していた大砲なども見学可能です。
また、すぐそばには国指定重要文化財の旧滝沢本陣もあり、松平容保はこの場所から白虎隊に出陣命令を出しています。
建物のあちこちに残された弾痕や刀傷は当時のまま。戊辰戦争の苛烈さをひしひしと感じることができる貴重な施設です。
住所:福島県会津若松市一箕町大字八幡大和山乙
アクセス:周遊バス(ハイカラさん)「会津武家屋敷前」から「飯盛山下」約13分
さざえ堂(円通三匝堂)
さざえ堂は1796年に建立された、六角三層のお堂。世界でもほとんど例を見ない、”二重螺旋構造”という特異な建築様式を持っています。
かつては内部のスロープに沿って三十三観音像が安置され、手軽に「西国三十三観音霊場」の巡礼ができるとして、多くの民衆から支持を得ていました。
さざえ堂の内部は上りと下りが全く別の通路となっており、誰ともすれ違わない不思議な構造。右回りの一本道で天井も低いため、平衡感覚が失われるような感覚に陥ります。
最上階の天井は、当時の参拝者が貼ったお札がびっしり。少し驚くかもしれませんが、民衆がいかにさざえ堂を重宝していたかを窺い知ることができます。世界的にも珍しい建築構造を、その身で体験してみましょう。
住所:福島県会津若松市一箕町大字八幡弁天下1404
アクセス:飯盛山から徒歩3分
会津の名物グルメを味わおう!
地元の絶品グルメに出会うのも旅行の醍醐味。会津若松を訪れたなら、ぜひともご当地グルメを味わってみましょう。
【ソースカツ丼】白孔雀食堂
『地元で知らない人はいない』といえるほど有名な白孔雀食堂。”昔ながらの味”を3代にわたって守り続けており、非常にファンの多い名店です。
白孔雀食堂のソースカツ丼は、とにかく大きい!蓋が閉まらないほどの大きさのお肉が盛り付けられ、代々継ぎ足して作られた甘じょっぱい濃厚ソースが食欲をそそります。器からはみ出るほどの濃厚ソースカツ丼を、豪快にかぶりつきましょう。
住所:福島県会津若松市宮町10-37
電話番号:0242-27-2754
時間:11:00〜15:00(売り切れ次第終了)
定休日:月・金曜日(祝日の場合は営業、その他不定休あり)
駐車場:あり(5台)
【喜多方ラーメン】古川農園
喜多方ラーメンは、会津観光において外せないグルメ。会津地方には喜多方ラーメンのお店がひしめき合っていますが、なかでもおすすめなのが古川農園です。
このお店、外観だけではラーメン店であるとは分からないでしょう。見た目はただの倉庫であり、看板もありませんが、開店時から長蛇の列ができるほどの超人気店です。
一番人気のメニューは肉そば。まさに”正統派喜多方ラーメン”という味で、中太縮れ麺、さっぱりとした醤油スープ、旨味の濃いチャーシューが絶妙にマッチします。
100円プラスすれば、手打ち麺への変更も可能。コシのある食感が好みの方は、手打ち麺を頼むのがおすすめです。
住所:福島県会津若松市河東町倉橋鏡山21
電話番号: 0242-75-3080
時間:11:00〜14:00(スープがなくなり次第終了)
定休日:水曜日
駐車場:あり(15台)
【わっぱ飯】田季野
わっぱ飯とは、杉の木で容器を作り、食材を入れて蒸しあげた料理。会津のわっぱ飯を現在のスタイルに仕上げたのは、この田季野が初めてです。
地元の山菜や海産物などをふんだんに使用しており、素材の味を感じる優しい味わいが魅力。蒸しあげているため、食材の香りや鮮やかな見た目も楽しむことができます。
“地産地消”にこだわった贅沢な郷土料理を、五感で楽しんでみましょう。
住所:福島県会津若松市栄町5-31
電話番号: 0242-25-0808
時間:11:00〜20:00
定休日:年中無休
駐車場:あり(第一駐車場10台、第二駐車場30台
【会津そば】桐屋・権現亭
昼夜の寒暖差が大きく、空気の澄んだ会津地方は、そばの生育に最適な地域。会津の絶品そばを味わうのにおすすめなのが桐屋・権現亭です。
福島県のオリジナル品種「会津のかおり」は豊かな風味と強いコシが特徴で、のどごしも抜群。ほかにも、一番粉のみを使用したそば、石臼挽きの十割そばなども味わうことができます。
会津観光の際にはぜひとも味わってみたいイチオシのそばです。
住所:福島県会津若松市上町2-34
電話番号: 0242-25-3851
時間:11:00〜15:00、17:00〜21:00(日曜、連休最終日は昼のみ)
定休日:水曜日
駐車場:あり(10台
宿泊は「東山温泉」で決まり!
東山温泉は1300年前に開湯した由緒ある温泉地。かみのやま温泉、湯野浜温泉と並び、「奥羽三楽郷」のひとつに数えられています。
市街地から車で10分程度の場所に位置しており、アクセスは大変良好。もちろん周遊バスで東山温泉へ向かうこともできます。観光のあとは、風情満点の東山温泉で疲れを癒しましょう。
向瀧
東山温泉を代表する老舗宿で、かつて会津藩士の保養所となっていたのが向瀧です。木造数寄屋造りの建物は美術品のように美しく、旅館として初めて登録有形文化財に指定されました。
温泉は、全ての内湯に源泉かけ流しの湯が注がれるという贅沢ぶり。浴場の壁には大理石のレリーフが施されており、優雅な気分を味わえます。
著名人も数多く訪れる由緒正しい宿で、旅館に散りばめられた”贅”を楽しみましょう。
御宿 東鳳
東山温泉でトップクラスの眺望の良さを誇る東鳳。空に浮かぶような展望露天大浴場「宙(そら)の湯」が人気で、露天風呂から会津若松市街を見渡すことができます。
食事はバイキング形式で、種類も豊富。できたての郷土料理やスイーツがずらりと並びます。
露天風呂で眺望を楽しんだあとは、会津の郷土料理を存分に味わいましょう。
いろりの宿 芦名
昔ながらの宿に泊まりたいのであれば、いろりの宿 芦名がおすすめ。全7室の小さな温泉宿で、建物からは昭和の懐かしさが感じられます。
囲炉裏を囲み炭火で焼き上げる料理スタイルが人気で、”本物の美味しさ”を追求した味にリピーターが続出。料理に合う日本酒も用意されており、囲炉裏の火にあたりながら飲む地酒は格別です。
会津若松の観光コースはこれで決まり!
会津若松観光における必見スポット、名物グルメ、人気旅館をご紹介しました。
城下町として栄えた歴史があるため、レトロな街並みが残されており、史跡も点在しています。また、名物グルメも数多く存在し、食べ歩きの街としても人気の高い観光地です。
会津若松を訪れた際は、周遊バスを上手に利用して観光スポットをめぐり、一日の最後は有名温泉地で締めくくりましょう。
福島県には、まだまだ魅力的な観光スポットがたくさんあります。その他の観光情報は、AVA Travelをチェックしてみてください!
Webライターとして約4年間活動しており、主に自動車、旅行関連の記事を執筆しています。さまざまな観光地をマイカーで巡るのが趣味で、ご当地グルメの食べ歩きも大好きです。読んでくれた皆さんに「ためになる!」と思っていただけるよう、分かりやすい文章を心がけています!